Day 9, Chicago モーテルにて

朝に目が覚めて部屋のカーテンを開けたら、しとしと雨が静かに降っていた。この、しとしと雨は何だか心が落ち着く。このやさしい雨音を聞きながら山あいの温泉にでも浸かりたい気分だ。

セントマーチン島では、大体スコールの様な激しい雨か、灼熱の太陽の二択だから。極端すぎる。

そう言えば、数日前も小雨が降っていたがバイクでハイウェイを爆走していた為、結局はものすごい勢いで雨が体に当たり、“僕にとって” は厳しく激しい雨だった。

当たり前だけれど、バイクに乗っていると 、夏はすごーく暑いし、冬はひどく寒い、というかそれを通り越し全身が切られるように痛い。雨が降れば全身ずぶ濡れになるし、同じ体勢を崩せないので体は痛くなる。荷物はほとんど積めないし、定員は二人まで。つらく不便な事の方が多い。でも、何なのでしょう、この言葉には表せない気持ち良さ、開放感は。

自然の影響をモロに受けるので五感は研ぎ澄まされる。五感って何でしたっけ?視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚。あ、味覚は関係ないか。いや、でもツーリングに行った時のご飯はすごく美味しいからやっぱり関係あるのかも。

それから例えば車で移動するのに比べたら入ってくる情報量が違う。窓を締め切った車内では感じる事のできないちょっとした気温の変化とか、海が近くなったらすぐに潮の香りを察知するとか。雲の動きとか。敏感になる。

えーと、今日は何でこんな事を書いているかというと、一日中モーテルにこもっているからです。体も頭も少し疲れがたまっているようだし、こんな日も必要。

お昼ご飯はモーテル近くで営業しているデリバリーの中華料理を注文した。注文するとルームサービスのように部屋まで直接届けてくれるので便利。そんなに期待していなかったけれど、想像以上に美味しかった。やはりご飯と煮物、炒め物は良いなあ。

鏡で自分の顔を見ると鼻のてっぺんのひどく日焼けした部分の皮が剥け始めている。サングラスの痕もかなり残りなるべく人に顔を会わせたくないレベル。それに無精髭だったので、せめて今日はデザイン髭にしてみた。

ところで、今回のバイク旅の荷物は25Lの中型リュックと手提げ袋1個だけ。本当に必要なものはこれに収まった。今はスマホ1台あれば大抵の事ができてしまう。PCも持参したけれど12インチで重さは800〜900g。リュックに入れ軽々持ち歩ける。便利な時代だ。

270816

テクノロジーはどんどん効率化されていくし物理的に身軽になっていく。それに比例するよう自分の体験をどんどん増やしていきたい。

雨のシカゴ(の郊外のモーテル)でそう思った。