サン・セバスティアンで絶品ピンチョス (タパス) を食べてきた

11年ぶりのフランス国境近くの街。
ここサン・セバスティアンにやって来たのは実際には2度目。でも感覚的にはもっとたくさん来ているような… 気がする。
それはなぜかと言うと、頭の中で何度も再訪をシュミレーションしていた場所だからだ。たぶん。

なぜ再訪を願っていたかというと、第一の理由はここが美食で有名な街だから。それを堪能しようと。
(前回来た時は、街中のATMでクレジットカードが飲まれ、それが最大の出来事… 僕の頭の中ではそういうメモリーになっている。魅力的な街だけに少し悔いの残る滞在だった。それにその頃はこれらの料理をよく把握できていなかったし、料理のムーブメント自体もまだ過渡期にあった。今度こそ良い経験・思い出を上書きするぞ!と。)

美食と言っても堅苦しいものではない。むしろ気軽である。その理由は美食の中心が一品からオーダーできるタパス形式だから。
バルに入り、カウンターに並んでいる色取り取りのタパスを選び、立ち飲み席で楽しむのが基本。そしてバルを何軒かはしごする。

Ganbara店舗前

 

酢漬けのアンチョビ、オリーブ、マスのイクラ、ウナギの稚魚、ウニ、タコ、キノコにハムに… などなどなど。
まずヴィジュアル的に目を奪われるし、お味はもちろん期待通り!

左から:酢漬けのアンチョビと野菜のマリネ、酢漬けのアンチョビとオリーブのパテ、酢漬けのアンチョビと鱒のいくら、Bar Txepetxa(バル チェペチャ)にて

Gandarias(ガンダリアス)にて

 

サン・セバスティアンではタパスの事をピンチョスと言う。ピンチョスとは楊枝や串にささった、みたいな意味が語源らしい。元はそうだったのだろうけど現在は串に刺さっていなくてもピンチョスと呼ぶので、要するに「小皿料理」「一品料理」の事。

その中で、僕が一番悶絶したのが… Gilda(ヒルダ)というサン・セバスティアン生まれの青唐辛子の酢漬けをアンチョビで巻き、オリーブと共に串に刺してあるモノ。どのバルにでもある一番基本的なピンチョス。

あまり辛くはなく、塩気と苦味と酸味のバランスが絶妙。
オリーブにまで青唐辛子の深みのある味が染みている。
シンプルでクセになる。お酒のつまみとしても最高。

Gilda(ヒルダ)

 

料理もさる事ながら、僕はサン・セバスティアンの雰囲気が大好きだ。
住人や観光客もマナーある人が多い。フランス国境まで僅か20kmくらいなのでスペインとフランスが混じった感じとかも。
気候も景色もとても良い。

街の中心近くに沿ってビーチが約1.4kmにも渡り広がっている。この海岸の名はコンチャ。
コンチャとはスペイン語で貝殻という意味である通り、確かに貝に似ている。
ビーチ周辺は住民の憩いの場だ。ジョギングや散歩の人、はしゃいでいる犬などとよくすれ違う。

海を正面にして左前方に進み続けるとロープウェイ乗り場がある。
ロープウェイに乗り山の上に登ると絶景が待っている!
サン・セバスティアンを代表するこの絶景ポイント…。
コンチャ海岸のすぐ正面にはまるで亀のような形をしたサンタ・クララ島がある。
この位置から見ると亀にしか見えない。
あぁ、貝殻に浮かぶ亀か。(可愛い…)
サン・セバスティアンはフランスからも近いし、今後繰り返し行くようになると思う。

2017年6月9日

コンチャ海岸