悠久の時を経た飯高檀林跡へ(ご先祖様ゆかりの地)

千葉県匝瑳市に今も残る飯高檀林跡。
ここは僕のご先祖様ゆかりの地である。

檀林とは仏教の学問所の事で現在の大学に相当する。1580年に開基され294年間続いたこの飯高檀林は、当時存在した(関東8檀林、関西6檀林)14檀林中、最高位の檀林であり、最盛期には800人ほどの学僧が学んでいたという。一帯には現代の大学生寮のような建物も多数あったそうで、現在の静寂さとのギャップに驚く。

この飯高檀林跡は飯高城跡も兼ねており、城主であった平山刑部少輔常時が城地を全て寄進し檀林が開かれたとの事。
平山刑部少輔常時の読み方は(ひらやま ぎょうぶしょうゆう つねとき)で、刑部少輔の部分は役名のようなものだから、それを抜くと(ひらやま つねとき)になる。
そして僕の祖父の名は同じく平山常時(ひらやま つねとき)。
この事から想像つくように僕の祖父は平山刑部少輔常時の直系子孫。ただ僕自身は彼の娘の子なので平山姓ではない。

実は飯高檀林とご先祖様について常時じいさんから直接聞いた事は一度もなかった。それに僕の実の母(常時じいさんの娘)は僕が5歳の時に亡くなったので彼女からも聞いた事がない。確か中学生の頃、僕の父が飯高檀林の資料コピーを見せてくれた時にその存在を初めて知った。当時はインターネットも普及していなかったし、調べる術も限られていたのでそれ以上の追求はしなかった。ただ、いつも頭の片隅の隅くらいにはあった。

今から20年ほど前、一度バイクのツーリングがてらこの地を訪れた事がある。
その際は講堂が修復中だったり現在のように専門のガイドさんもいなかったので、とりあえず来てはみたものの、ここが何なのかよくわからないままだった。

ただ、今回は違った。
運よく専門のガイドさんに遭遇し、檀林跡、城跡を案内いただき詳しい説明を受けたので飛躍的に理解度が高まった。本当に助かりました。何よりこうして地元のガイドの方や保存会?の皆様がこの地の管理を続けてくださっていた事に感銘を受けた。そのおかげで色々知る事ができたのだから。
本当はただこの地に次世代である娘(5歳)を連れお参りだけして帰ろうと思っていたのだけれど、何かに導かれたのかな、とも思う(ご先祖様か?)
そんなこんなでこの地を20年前よりはるかにエネルギーのある場所に感じた。
…と言うよりは、元々すごい場所だったけれど昔の自分にはそれを感じ取れなかっただけだろう。

敷地内には国指定重要文化財(総門、鼓楼、鐘楼、講堂の四ヶ所)や樹齢約400百年の杉の巨木、1500年代後半から立ち続けている石灯籠、歴代檀林長のお墓(実に257名分?)などが現存している。

近年、飯高檀林跡はこの荘厳な佇まいから、映画「忍びの国」やNHK大河ドラマ「麒麟がくる」「西郷どん」「ゲゲゲの女房」「ととねえちゃん」のロケ地になり、訪れる人々が増加しているのだそうだ。
実際に行ってみるとわかるけれど、敷地全体が悠久の時を感じさせる特別な雰囲気なのでそれらの撮影場所に選ばれるのもうなづける。
また、春と秋には境内を利用したコンサートが行われたり、辺りは史跡を巡る散策コースにうってつけなのでご興味ある方は気軽に訪れてみると良いと思う。
その際には前述の専門ガイドさんにご案内いただく事をお勧めします。
(下記資料参照)

僕もまた必ず再訪します。

飯高檀林跡ご案内 表(PDF)

飯高檀林跡ご案内 裏(PDF)

飯高檀林跡ご案内 表(JPG)

 

飯高檀林跡ご案内 裏(JPG)

 

総門(国指定重要文化財)の向こう側には樹齢約400年の巨木がそびえ立つ

 

講堂(国指定重要文化財)は現代で言うところの「大学院」のような場所だった

 

鼓楼(国指定重要文化財)。隣には非常に美しいかえでの木がある。

2023年5月5日