カンプ・ノウで乾貴士がバルセロナから2点取る瞬間を見た

スペインに来たのはこれで3度目。
1度目(2005年)はアンダルシア地方、2度目(2006年)はバスク地方。
だから、これまでスペインを代表する都市、マドリッドやバルセロナに行った事がなく… 特にバルセロナには興味が強かったので、こうして訪れる事ができてうれしい。

聞いてはいたが、バルセロナの観光先進さにはすごく感心した。
まず観光路線バスが充実していて1日乗り放題で29ユーロ。
車内のWiFi無料。
バスの本数も多い。
スムーズに動けるよう訓練されたスタッフが配備されている。

初めてバルセロナに来て、右も左もわからない身としては、このバスに乗り車内のアナウンスを聞く事で効率良く街を把握できた。
(入り口で視聴用イヤホンをもらえる。説明言語には日本語もあり。)

オープントップバス車内より

 

さて、今回バルセロナに来た一番の目的。
それは、サッカー観戦。チケットは事前に入手してあった。
言わずと知れた世界最高の実力と人気を兼ね揃えたFCバルセロナ
世界のスーパースター達の集まり。
対するは、SDエイバル
え、エイバル?… 知らん。という方がほとんどだと思う。僕もこの前までそうだった。

エイバルはスペイン北西部にある人口3万人にも満たない小さな町のチームなのだけれど…、なんと中心選手に日本代表にも選出された事のある「乾 貴士(INUI Takashi)」がいる。

いや… 実は乾貴士がエイバルに移籍していた事を、僕はチケットを買った後に気がついた。
完全アウェイの中、本気のメッシやネイマール、スアレスらと戦う乾。こんな試合めったに見られるものではない。スゴイ事じゃないか、と。(でも、たぶんボコボコにやられそう… と思いながら)

そんな感じで試合が始まり、すぐさま信じられない事が起きた。
その乾が… 乾貴士の強烈な先制ゴール。
えっ…。7万5千人の観客の誰もがそう感じたはずだ。このスタジアムの、鳩が豆鉄砲を食らったよう雰囲気、からしても。
僕も一瞬なにが起きたかわからず、フリーズしてしまった。

スクリーンで状況を確認してみると確かに「INUI」の文字が。
これって、ひょっとして日本のサッカー選手にとって歴史的出来事なんじゃ…?

信じられない気持ち、高揚した感じのまま後半戦へ。(ごく少数のエイバルファン、日本人観戦客にとっては。観客の95%以上はバルセロナファンだから。)
すると、あろうことか、乾の強烈なシュートがもう一発。
また、またなのか?
あのタイミングで、あの速さで、あの場所へ打たれたらキーパーはもう触れない。
ボールは左上のバーに強く当たり、そのままゴールへ。

もう、これ夢だろ。みたいな気分になる。

後で調べると、やはりバルセロナから点を取った日本人はこれが初めて。(しかも2点だ!)
スタジアム最上列の席だったから小さくしか見えなかったケド。
確かにその瞬間を見た。

バルセロナから1試合で2得点奪える日本人選手は、今後数十年現れないような気がする。

2017年6月8日

カンプ・ノウスタジアム(Camp Nou)、 ヨーロッパ最大のスタジアムで収容人数は約10万人